太鼓台について

What is Taikodai ?

口屋太鼓台


プロフィール


発足 … 2006年
地区 … 新居浜市川西地区
所有管理運営 … NPO法人さしあげプロジェクト
(市内初のNPO法人として承認された太鼓台)
氏神 … 一宮神社

太鼓台全体と呼称



 

口屋太鼓台の装飾


天幕

 

 

 

天幕:てんまく

 
宇宙を表します。
柄 … 愛媛県章
 

括り

 

括り:くくり

 
雲を表します。
 

 

 

 

 

房:ふさ

 
雨を表します。
 

【制作】有限会社 北尾宇三郎商店(京都府)
 方法 … 正絹皮着せ仕様

 

【鍛示商店謹製「太鼓房」の特徴】 
  (文章 鍛示商店様)
 
純国産に拘った正絹皮着せ仕様で、本来の伝統的製法を護り、尚日つ中国製との差別化の為にも、絹のしっとり感と光沢を活かした皮着せ手法の太鼓台房にこだわって製作している。皮着せ仕様とは、上撚りの入っていない平糸をシルケット加工した綿の表面に50本以上斑なく弛みなく包み被せて撚りを掛けたもの。その特徴は大きく分けて4つある。
 
(1)正絹本来の光沢の良さが生かされている
毛羽立ちが無いようにSAランクの上級糸を使用している。
 
(2)経年による撚りの戻りが無い
芯にシルケット加工をした綿糸を入れることにより撚りの戻りが無く、撚り目が立って丸く仕上げることができる。また、糸と絹の本来の特性と撚りの強さのみで仕上げるのでコシが有りながら、しなやかでよく割れる房になる。
 
(3)紐部の特徴
合糸した芯糸の上をの糸で一度組み、その上から今度は、合糸した絹の擦糸にさらに擦りを掛け、丸くしてもう一度組み上げる。そうすることにより丸くなった直径分の厚さで紐表面に絹糸を被せることができる。
 
(4)房の組み立て手法について
本来、撚り房は、天井糸に対して簾状に連続して撚っているもので、それゆえ分解、組み立てができるのが特徴である一方で房丈を揃えることは難しく、高い技術が求められる。立てができる為、経年により黄変した房を分解し、晒し直し、房頭の編み直し、紐を新調することにより、新品のように蘇らせることができる。

 

飾り幕

 

飾り幕:かざりまく

 

布団締の龍が雲【括り】を呼び、そして雨【房】を降らせ、豊作をもたらすと考えられている。

 

【制作】有限会社日繍(京都府)

 
伝統的な日本刺繍の職人の手によって、5号金糸や本金糸など数多くの糸が使われている。金糸銀糸のグラデーションのある飾り幕が魅力。口屋太鼓台の布団締・高欄幕は陰陽五行説に由来している。
 
(上段) … 布団締め
(中段) … 上幕
(下段) … 高欄幕
 

陰陽説

この世は陰と陽で成り立つという中国の考え方。

五行説

人間の行いや自然の法則は五つに分類され、巡回、作用しているという中国の考え方。

布団締め

(正面)南と夏を守る神
(右面)東と春を守る神
(左面)北西と秋を守る神
(背面)北と冬を守る神

 

【題】阿吽之龍

 

 

阿吽とは?
阿(あ)は字音のはじめで、吽(うん)は字音の終わりであることから、密教においては、すべての始まりと終わりを意味する。口を開いた阿形、口を閉じた吽形の一対の姿。
 
龍とは?
中国神話の中の四神の一組。鱗虫360種の頂点に君臨する。龍の体の各部位は九つの動物の部位を備え持っており、十二支の中で唯一架空の動物である。

 

 


 
口屋太鼓台の布団締め阿吽の龍の火炎は、四神・四獣をモチーフにしている。
 

四神・四獣とは?
中国神話で世界の四方向を守る聖獣。四神は四方位と四節を守る神々である。四獣はそれぞれ360種の頂点に君臨している。

 
南(正面)
朱雀(すぎく)火炎の色/赤
南と夏を守る神。
 
 

 
東(右面)
青龍(せいりゅう)火炎の色/青緑
鱗虫(鱗生物)360種の頂点。
東と春を守る神。
 

 
西(左面)
白虎(びゃっこ) 火炎の色/白
毛虫(一般動物)360種の頂点。
西と秋を守る神。
 

 
北(背面)
玄武(げんぶ)火炎の色/黒
殻虫(甲骨類)360種の頂点。
北と冬を守る神。
 

 

上幕

(正面)日光陽明門
(右面)歓喜坑の坑夫
(左面)精錬の坑夫
(背面)朝日を見る鶴と亀

 

上幕:うわまく

 
チチ … 二十八宿
 

二十八宿とは?
中国の天文学・占星術で用いられた。日本でも江戸時代には二十八宿を含む多くの出版物が出された。

 

南(正面)
【題】日光陽明門

 

日光陽明門は、江戸幕府の創設者・徳川家康を祀る日光東照宮内にある。場所は、栃木県日光市。新居浜市内の太鼓台の飾り幕に多く用いられており、新居浜の太鼓台の代表的な図柄のひとつである。
 

東(右面)
【題】歓喜坑の坑夫

 

 

歓喜抗は、1691年に開かれた別子銅山発祥の記念すべき最初の坑道である。この名は、1690年(元禄3年)、住友が経営する吉岡銅山の田向重右衛門一行が四国山中に有望な鉱脈があるとの知らせを聞き、船で瀬戸内海を渡り、苦心して山中を調査したのちに地面に飛び出した露頭を発見して試掘し、歓喜したことに由来する。その後、歓喜抗のすぐ脇に歓東抗が穿たれ、2本の道は、明治に至るまで200年間、別子銅山の主要道として機能した。鉱石を掘り出すのは、もちろん手作業で、軽易な道具を手に、坑道を削り取るように掘り進めていった。
 

西(左面)
【題】精錬の坑夫

 

 

別子銅山では、鉱石を掘り出すだけでなく、選鉱や製錬も行われていた。掘り出した鉱石を抗口から運び出し、砕いて銅を含む部分を選別する。さらに、選鉱された鉱石は硫黄分を抜くため焼き窯で蒸し焼きにして焼鉱にする。別子銅山には、こうした工程を行う製錬所の床屋がいくつもあり、一大製錬工場の体裁をなして、焼竈が立てる煙が、一帯を覆っていた。ここで純度90%に製錬された粗銅が、銅山峰を超え口屋へと運ばれたのち、大坂の住友銅吹所で純度99%まで高められ、最終的に、棹銅の形に鋳造され、輸出用として長崎に運ばれたのである。
 

北(背面)
【題】朝日を見る鶴と亀

 

 
口屋に広がる燧灘で、朝日を見る鶴と亀が戯れる様子を描く。「鶴は千年、亀は万年」と言われるように、日本では古くから、鶴と亀は長寿を象徴するめでたい生き物であると考えられてきた。
 

高欄幕

(正面)口屋あかがねの松と鷹
(右面)阿形の龍
(左面)一宮さんの氏子の鵺退治
(背面)口屋松を見る七福神

 

高欄幕:こうらんまく

 
チチ ... 十二支、九字切り、勝、★、可
 

十二支とは?
「子・丑・寅・卵・辰・日・牛・未・甲・酉・成・支」の総称。中国発祥で東アジアに広く存在している概念。日本では、西暦とともに用いられている。
九字切りとは?
山岳秘法の修験者が護身の法として空中に九字を唱え、横五線縦四線を描く時はどの様な強敵であろうとも恐れに足らずと言う呪である。
★、勝、可とは?
永遠に光り輝き絶対に消滅する事のない星(★)のように、勝利(勝)を授かり叶う事を念じている。(可)

 

南(正面)
【題】口屋あかがねの松と鷹

 

 
口屋あかがねの松は、樹種はクロマツで、推定樹齢は300年以上と言われ、 別子銅山の口屋開設と同時期に植えられたとされている。1702年(元禄15年) に別子銅山から中宿・立川を経て、 新居浜浦へ至る輸送経路が開通したことで、浜宿・口屋が開設された。口屋には住友家の役人が常駐し、 入港する船の積み荷や、 別子で生産された粗銅を大阪に船積みする管理を行っていた。貿易の要となった口屋は、 新居浜の中心地であり、新居浜から世界 への銅の発信地であった。
 
 

昔はこの松の木に牛をつないでいた。 遠くに見える島は御代島であり、 今は埋め立てられて住友化学の工場敷地の一部になっている。
 

東(右面)
【題】阿形の龍

 

 
口屋太鼓台の阿形の龍は、小泉淳作が描いた京都建仁寺法堂の天井図をモチーフにしている。
 

 

西(左面)
【題】一宮さんの氏子の鵺退治

 

 
口屋太鼓台の氏神である一宮神社の氏子が、鵺退治をしている様子を描く。氏子の着ている服の胸部には、一宮神社、ひいては大山祇神社の社紋である三切折敷縮三文が描かれている。
 

 
鵺退治は、鎌倉時代に成立し日本を代表する軍記物語である『平家物語』に登場する。鵺は日本の伝説の生物であり、サルの顔、タヌキの胴体、 トラの手足を持ち、 尾はヘビで、 「ヒョー ヒョー」 と大変に気味の悪い声で鳴いたとされる。
一宮神社には小女郎狸の伝説があり、一宮神社とゆかりのある狸を胴体に持つ鵺をデザインに採用した。 本来の平家物語では、源頼政が鵺退治をするが、ここでは、一宮神社の氏子が鵺退治をしている様子を描き、新居浜風に脚色した。
 

※鵺退治 ...『平家物語』によると、平安時代末期、天皇(近衛天皇)の住む御所・清涼殿に夜毎出没し、天皇を悩ませたがいた。それを、当時妖怪退治の第一人者であった源頼政が、山鳥の尾で作ったり矢で射殺したという。そして天皇から、その鵺退治の優美として、獅子王という力を賜した。

 

 

北(背面)
【題】 口屋松を見る七福神

 

 
七福神とは、大黒天、毘沙門天、恵比寿天、寿老人、福禄寿、弁財天、布袋尊の七つの神様の総称。「七難即滅、七福即生」の説に基づくように、七福神を参拝すると七つの災難が除かれ、七つの幸福が授かると言われている。七福神の信仰は、室町時代末期より生じ、当時の庶民性に合致して、民間信仰の最も完全な形となって育てられてきた。
 

大黒天(だいこくてん)
元はインドの神様。五穀豊穣、財福開運の神様。
 
毘沙門天(びしゃもんてん)
元はインドの神様。勝運の神様。
 
恵比寿天(えびすてん)
日本古来の神様。イザナギイザナミの第二子と言われている。漁業の神で、特に商売繁昌の神様。
 
寿老人(じゅろうじん)
元は中国の神様。長寿延命、富貴長寿の神様。
 
福禄寿(ふくろくじゅ)
元は中国の神様。幸福、財産、健康の神として信仰されている。
 
弁財天(べんざいてん)
唯一の女神。元はインドの神様。芸術、学業の神様。市内の太鼓台にも、弁財天を描く飾り幕がいくつかある。
 
布袋尊(ほていそん)
元は中国の神様。子宝、良縁の神様。

 

四本柱

 

 

 

四本柱:しほんばしら

 
重を支える柱。東西南北を表している。
 

欄間彫刻

 

欄間彫刻:らんまちょうこく

 
【制作】 ••• 北川彫刻(石川県)
 

南(正面)朱雀
東(右面)青龍
西(左面)白虎
北(背面)玄武

力神

 

力神:りきじん

 
【制作】••• 北川彫刻(石川県)
 
日本神話に登場する力神には、天手力男神(アメノタヂカラオノカミ)がいます。天岩戸に閉じこもった天照大神(アマテラスオオミカミ)を外の世界に引きずり出した神で、筋力の神やスポーツの神として知られています。
 

【天手力男神の主な特徴】
・天岩戸に閉じこもった天照大神を外の世界に引きずり出したといわれています。
・二度と天照大神が岩戸に閉じこもらないよう、遠くに蹴り上げた岩戸が、戸隠山になったといわれています。
・力強さを象徴する神として、戸隠連峰の守護神としても知られています。
・戸隠神社(長野県)の主祭神で、特にスポーツや武道関係者から篤く信仰されています。

 
天手力男神は、天岩戸伝承に登場する神で、腕力・筋力、男の力を象徴しています。また、縁の下の力持ちであり、魔を寄せ付けない守り神でもあります。


 

太鼓

 

 

 

 

太鼓:たいこ

 
【制作】••• 浅野太鼓(石川県)
 

提灯

 

提灯:ちょうちん

 

 

太鼓台カラー

 

 

 

太鼓台カラー

 
伊達巻 … 白色
貫き …… 白色
指揮旗 … 白色
 

太鼓台カラー

 

太鼓台の衣装

 

 

 

太鼓蔵と太鼓台の組み立て

太鼓蔵での組み立て風景

東京ドームでの組み立て風景