新居浜太鼓祭り
愛媛県新居浜市で毎年10月16.17.18日に行われる秋祭りです。(大生院地区は10月15.16.17日)四国三大祭りの一つとしても知られています。五穀豊穣、安全祈願を祈って行われ、54台の太鼓台が市内を練り歩きます。
地域の伝承によると、その起源は鎌倉時代、あるいは平安時代まで遡るといわれています。太鼓台が記録の上で出てくるのは、江戸時代後期、文政年間(1818~1830)のことで、その頃は「神興太鼓」と書かれていることが多かったそうですが、時代が進むにつれて「太鼓台」とされることが多くなりました。
幕末から明治時代初期の太鼓台は、現在よりも小さく、飾り幕は薄めで、天幕も現在のような膨らみを持たなかったそうです。しかし、別子銅山の開坑により産業が発展し、新居浜市は経済的にも人材的にも活気づき、地域の対抗意識も高まりました。その結果として、明治中期以降から急速に大型化し、飾りも豪華なものになっていきました。
明治時代中期から昭和時代初期には、現在と同じくらいの大きさ(高さ5.5メートル、重さ2.5トン) になったと言われています。こうして太鼓台、今も祭礼時に神に供奉する山車の一種であることに変わりがありませんが、年月を経て、その豪華さから祭りの中心的存在となりました。
地区により日にちは異なりますが、新居浜市川西地区においては、13台の太鼓台が、氏神神社である一宮神社に、17日に宮出し、18日に宮入りを行います。
神社とは?
日本では、海・山・川まで広く八百万の神々がお祀りされ、その土地や海などをお護りくださっています。こうした信仰を、神道と呼び、日本で広く信仰されている宗教です。中でも皇祖 天照大御神をお祀りされる伊勢の神宮は、別格の存在となります。
氏神神社とは?
居住する地域の氏神さまをお祀りする神社です。この神社が鎮座する周辺の地域に居住する人を氏子(うじこ) といいます。もともとは、氏族の間で自らの祖神(おやがみ) や、氏族に縁の深い神さまを「氏神さま」と称してお祀りしたことに由来し、その血縁的集団を氏子と呼んでいました。中世に入ると、土地の神さま、つまり鎮守の神さまである産土神(うぶずながみ/産まれた土地を守護してくれる神さま)までが、氏神と混同されるようになりました。
一宮神社
口屋太鼓台の氏神神社。709年に大三島(愛媛県今治市)の大山祇神社より大雷神・高龗神を勧請し、新居郡(昔の新居浜市) の一宮としたといわれています。祭神は大山祇大神(おほやまつみのかみ)、雷大神(いかづちのかみ)、高龗神(たかおかみのかみ)、健御名方神(たけみなかたのかみ)。新居浜市役所近くの市街中心部に広い境内を持つ神社であり、新居浜太鼓祭りにおいては、川西地区の13台の太鼓台が勇壮な宮入を行います。参道や社殿の周囲には、幹周り1m以上の楠が53本も群生し、合計約90本の楠が植えられており国の天然記念物に指定されています。「一番楠」と呼ばれる楠は、樹齢約1000年で幹周り9.4mとも言われ、境内で最大の楠です。また、この一番楠には小女郎狸が棲んでいたという伝説が古くから伝えられ、根元に祠が祀られています。